作者
喜撰法師
生没年不詳
六歌仙の一人
歌はこの一首が残されるのみ
宇治山の僧というほかに詳しいことはわからない
意味
私の家は都の東南にあって、このように澄んだ心で住んでいます。なのに、私が世の中を辛いと思って宇治山に隠れていると、人は言っているようです。
解説
京都・宇治で、出家して山で暮らす気持ちを表現した歌。
突然出家した喜撰法師について、周りの人々は「きっと失恋など、辛いことがあったから、宇治にこもっているのだろう」とうわさをしたようです。作者はそれを聞いて、返事としてこの歌を詠みました。うわさを否定して、山に住む、すがすがしい気持ちを表現しています。うじ山の「うじ」には、地名の「宇治」と、つらさを表す「憂し」の二つの意味があります。「宇治山」は京都府宇治市の東にある山です。この歌を由来として「喜撰山」と呼ばれています。また、「たつみ」とは、東南の方角を示します。宇治山は都から見て東南の方角にあります。
もっと詳しく
宇治ってどんなとこ?
宇治は世間からはなれた静かな行楽地として、古くから人気が高かった場所です。平安時代には貴族の別荘も多く建てられました。
ゴロ合わせ
わがいえはうちやまという
原文
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