作者
天智天皇
626~671年
即位前の名前は 中大兄皇子
中臣鎌足とともに蘇我氏を滅ぼし、第三十八代天皇に即位した。
意味
秋の田んぼのすみかにある仮小屋は、草を編んで作った粗い造りなので、そこで番をする私の着物のそでは、夜露に濡れていくばかりです。
解説
季節は秋。農民が仕事にいそしむ姿を作者が想像して詠んだ歌。
この歌は、百人一首でただ一つ、農民の姿を詠んだものです。作者の天智天皇は、つらい農作業をする農民に共感して、この歌を詠みました。収穫を控えた秋になると、農民は田んぼの隅に質素な小屋を作り、夜の間はその中で番をしました。稲を鳥や動物に荒らされたりしないように、徹夜で田んぼを守るわけです。この歌の農民は、秋の夜に一人きりで小屋にこもり、朝が来るのを待っています。寒い夜に、苦労して田んぼを守る姿が表現されています。
もっと詳しく
「とまをあらみ」の「とま」とは?
「とま」とは、かややすすきなどの草を編んで作った屋根やおおいのことです。とまを使った仮小屋とは、乾いた草を編んで作ったテントのようなもの。目があらいので、風や夜つぐがすき間から入り込んで来ます。
ゴロ合わせ
あきのつゆ
と覚える
原文
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